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夏の窓の風通しは逆効果?「心地よい風の3要素」を活かす通風設計とは

自然の風が心地よく通り抜ける、風通しの良い家。

なんだか、気持ちよさそうな感じがしますよね。

しかし、その一方で、「良かれと思って開けた窓が、実は夏の快適性を奪っているかもしれない」としたら、どう思われますか?

高温多湿な日本の夏において、「風通し=快適」という常識は、必ずしも正解ではありません。

見落としがちな「湿度」と「日射」の視点を持つことこそが、一年中、本当に心地よい住まいを実現する鍵なのです。

この記事では、岐阜の気候を知り尽くした住宅設計のプロが、単なる通風のテクニックではない、設計の考え方の根幹から、あなたの家づくりを成功に導くための本質的な知識を解説します。

この記事を読めば、こんな疑問がスッキリ解決します!
  • なぜ、夏の風通しが「逆効果」になることがあるのか?
  • 多くの設計士が見落とす、快適性の本当の決め手とは?
  • 光熱費を抑えながら、本当に快適な室内環境を保つ設計のコツは?

読み終える頃には、「風通しの常識」が覆り、後悔しない家づくりのための、新しい判断軸が手に入っているはずです。

この記事を書いた人
松原 保嗣

【プロフィール】
岐阜市拠点の株式会社エムズアソシエイツ代表取締役。
20年以上、注文住宅の設計施工に携わり、高気密・高断熱住宅やパッシブデザインを取り入れた設計を通して、圧倒的な快適住空間を提供。
自社ブログや年間100回以上のセミナー登壇を通じ、延べ500名以上の施主の家づくりを支援し、施主啓発にも努める。
【保有資格】
日本エネルギーパス診断士、省エネ建築診断士、気密測定技能者、地盤インスペクター、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具専門相談員

目次

心と身体が喜ぶ!「風通しの良い家」4つのメリット

「風通しの良い家」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?

自然の風がもたらす魅力は、単に「涼しい」というだけではありません。

私たちの心と身体を豊かにし、暮らしにゆとりをもたらしてくれます。

具体的には、次の4つのメリットが挙げられます。

  • 心からのリラックス効果
  • 健康的な室内環境の維持
  • 省エネ・光熱費の削減(体感温度の低減)
  • 洗濯物が早く乾き、家事も楽に

それでは、一つずつ見ていきましょう。

1. 心からのリラックス効果

新緑の季節、窓を開け放つと、すーっと部屋を通り抜けていく爽やかな風に「ああ、気持ちいいな」と感じた経験はありませんか?

エアコンの人工的な風とは全く違う、肌を優しくなでる穏やかで爽やかな自然の風。

それは、窓の外の木々のざわめきや季節の香りを室内に運び込み、心を落ち着かせ、日々の疲れを和らげてくれるのです。

2. 健康的な室内環境の維持

窓を開けて空気を入れ替えることで、室内にこもりがちな生活臭や湿気を外に排出し、いつでも新鮮な空気を取り込めます。

窓開け換気は、24時間の計画換気よりもはるかに効率よく、室内の空気を新鮮な外の空気と入れ替えてくれます。

これにより、アレルギーの原因ともなるカビやダニの発生を抑制する効果が期待できます。

シックハウス症候群の原因とされる化学物質の排出にも、通風は役立ちます。

3. 省エネ・光熱費の削減

春や秋、初夏の過ごしやすい季節には、窓を開けて自然の風を取り込むだけで、エアコンに頼らずとも快適な室温を保つことができます。

また、湿度の低い夏日においては、風を取り込むことにより体感温度が下がります。

具体的には、扇風機と同じ効果で、風速1m/sで体感温度は1℃下がると言われており、光熱費の節約にもつながります。

 

4. 洗濯物が早く乾き、家事も楽に

風通しが良いと、洗濯物が早く乾き、気になる生乾きの臭いを防げるのも嬉しいポイントです。

毎日の家事が少し楽になりますね。

【通風設計のコツ】気持ち良い”風の通り道”をつくる基本ルール

では、どうすれば我が家にも心地よい”風の通り道”をつくることができるのでしょうか。 ここからは、そのための具体的な設計ルールを、順番に見ていきましょう。

「入口と出口」を対角線上に設けるのが鉄則

心地よい風を家の中に取り込むためには、しっかりとした基本原則があります。 それは、「風の入口」と「風の出口」をセットでつくることです。

窓を一つ開けただけでは、空気は思うように流れず、室内に滞留してしまいます。

効果的な通風を実現する鍵は、部屋の対角線上に窓を配置することです。

風は障害物がなければまっすぐに進む性質を持っているため、入口と出口を一直線上に設けることで、部屋の隅々までよどみなく風が行き渡る「風の通り道」が生まれます。

出典:「YKK AP

実際に、YKK APのシミュレーションによると、窓が1カ所の場合と2カ所の場合とで、室内の換気回数に約10倍もの差が出たというデータもあります。

対角線上に2つの窓があれば、わずか4〜5分で部屋全体の空気が入れ替わるのに対し、1つの窓だけでは35分もかかってしまうケースもあるのです。

さらに効果を高める工夫として、窓の高さに差をつける方法があります。

出典:「YKK AP

暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へと流れる性質を利用し、低い位置にある窓から涼しい風を取り込み、吹き抜けの上部や天窓といった高い位置の窓から室内の熱気を排出させることで、家全体で空気が循環する流れ(温度差換気)を生み出すことができます。

風をしっかりキャッチする窓の種類と効果を高める配置のコツ

風の通り道をデザインする上で、「どの種類の窓を、どこに配置するか」は非常に重要なポイントになります。 窓の種類によって、風の取り込み効率は大きく変わるからです。

特に、風を効率よく室内に取り込む「入口」としてよく使われるのが、「縦すべり出し窓」です。

この窓は、壁から突き出すように開くため「ウィンドウキャッチャー」とも呼ばれ、建物の壁に沿って吹く風をうまく捕まえて室内に引き込みます。

設計の際は、その地域で年間を通して最もよく吹く風の向き(卓越風)を考慮し、風上側にこの窓を設けることで、より効率的に風を取り込めます。

一般的な引き違い窓に比べて格段に多くの風を室内に導き入れることができ、その換気量は、実に引き違い窓の約22倍にも達するという実験データもあるほどです。

一方で、雨の日でも換気したい場合には、上部が庇(ひさし)の役割を果たしてくれる「横すべり出し窓」が便利です。

室内の熱気を効率的に排出する「出口」としては、高い位置に設けた窓や天窓が効果を発揮します。

このように、それぞれの窓の特性を理解し、

  • 風の入口には「縦すべり出し窓」
  • 雨の日の換気には「横すべり出し窓」
  • 風の出口には「高窓や天窓」

といったように、適材適所に配置することが、効果を最大化するコツなのです。

【応用編】吹抜けやリビング階段で立体的な通り道をつくる

設計を工夫すれば、家全体を一つの大きな風の通り道にできます。 その代表的な例が、「吹抜け」や「リビング階段」を設けた間取りです。

吹抜けは、1階と2階の空間を縦に繋ぐことで、立体的な風の循環を生み出します。

例えば、1階の南側の窓から入った心地よい風が、リビングの吹抜けを通り抜けて上昇し、2階の窓から抜けていく。

そんなダイナミックな風の流れをデザインできるのです。

高所に溜まりがちな夏の熱気を効率的に排出できるというメリットもあります。

また、オープンなリビング階段も、それ自体が空気の通り道として機能します。

シーリングファンを併用すれば、さらに空気の撹拌が促され、家全体の温度を均一に保ちやすくなるでしょう。

実際に、以下の施工事例では、夏場は玄関の地窓と、吹抜けの高窓を開ければ風が無くても気流が生まれ涼しくなる仕掛けになっています。

設計の力で、風はデザインできます。

【実は】夏の風通しが逆効果になることも|知っておきたい「湿度」との関係

ここまで風通しの良い家の魅力をお伝えしてきましたが、一つ、注意しなければならない大切なことがあります。

それは、「風通しが良いこと」が「常に快適である」とは限らない、という事実です。

特に、高温多湿な日本の夏においては、窓の開け閉めを慎重に判断しないと、かえって不快な状況を招きかねません。

「夏の暑い日でも、窓を開ければ涼しくなるはず」という思い込みが、実は快適な暮らしの妨げになっているのです。

その鍵を握るのが、「湿度」の存在です。

そもそも「心地よい風」の条件とは?快適さを決める3つの要素

私たちが「心地よい」と感じる風には、実は条件があります。

それは、「適度な温度」「低い湿度」「穏やかな風速」という三つの要素が揃っていることです。

なぜ、風が吹くと涼しく感じるのでしょうか。

それは、風が肌の表面にある汗の蒸発を促し、その気化熱で体の熱を奪ってくれるからです。

「風速が1m/s増すごとに、体感温度は約1℃下がる」と言われるように、風には私たちの体感温度を下げる効果があります。

気温が27℃あっても、秒速2〜3mの風が吹いていれば、涼しく感じられるのです。

特に、梅雨入り前のカラッとした初夏の季節には、この通風の効果が最大限に発揮されます。

エアコンの人工的な冷風とは違う、長時間浴びていても体を冷やしすぎない自然の風は、何物にも代えがたい心地よさをもたらしてくれます。

実際に、エムズアソシエイツで家を建てられた施主様からも、「5月の爽やかな季節に、いくつかの窓を開けておくだけで、家の中が本当に気持ちいい」というお声をいただいています。

日本の気候で言えば、春から初夏にかけて、そして秋口が、まさにこの「心地よい風」の恩恵をもっとも受けられる季節なのです。

なぜ日本の「真夏」に通風すると、逆に不快になるのか

一方で、気温も湿度も高い真夏に窓を開けることは、多くの場合、逆効果になってしまいます。

その最大の原因は、「湿度」にあります。

人間の体は、汗が蒸発する際の気化熱によって体温を調節しています。

しかし、湿度が高い環境では、空気中の水分量が多いために汗が蒸発しにくくなります。

その結果、体温が下がらず、体に熱がこもってしまい、強い不快感を覚えるのです。

 

気温が27℃でも湿度が75%を超えると、多くの人が「蒸し暑くて不快だ」と感じる「不快指数」のレベルに達します。

夏の日本の外気は、湿度70〜80%になることも珍しくありません。

そんな湿度の高い外の空気を室内に取り込んでしまえば、家の中はあっという間にベタベタとした不快な空間に変わってしまいます。

さらに、日中の猛暑日には、35℃を超えるような熱風が室内に入り込み、室温自体を上昇させてしまうことにもなりかねません。

 

実際にお施主様にも「雨の日や湿度が高い日は、窓を開けないで」とお伝えしています。

雨の日は湿度が100%近くになるため、換気どころか、大量の湿気を家の中に招き入れる行為になってしまうからです。

これとまったく同じ理由で、高温多湿な真夏の昼間に、むやみに窓を開けることは避けるべきなのです。

夏の快適性は「温度」より「湿度」のコントロールが鍵

ここまでの話でお分かりいただけたように、住まいの快適性を本当に追求するならば、温度以上に「湿度」をコントロールするという視点が欠かせません。

人が感じる暑さや涼しさの指標である「不快指数」は、気温よりも湿度の影響を大きく受けます。

例えば、気温が30℃あっても、湿度が40%程度であれば、カラッとしていて過ごしやすく感じられます。

逆に、気温は25℃でも、湿度が85%もあると、多くの人が蒸し暑さを感じるのです。

そのため、夏を快適に過ごすには、窓を開けて外気を取り込むよりも、エアコンの除湿(ドライ)機能などを上手に使い、室内の湿度を調整することが大切です。

さらに、湿度の高い空気を室内に取り込むことには、「夏型結露」というリスクも潜んでいます。

これは、湿った外気が壁の中に入り込み、エアコンで冷やされた壁の内部で結露を起こす現象です。

この結露は、家の構造体である柱や断熱材を湿らせ、カビや腐食の原因となり、家の寿命を縮めてしまうことにも繋がりかねません。

エムズアソシエイツが、高気密・高断熱な家の性能を追求し、計画的な換気システムによって湿度をコントロールしているのは、こうしたリスクからお客様の大切な住まいを守るためでもあります。

あえて風通しを最優先しない!エムズが風通しより「日射」を優先する理由

「住宅街でもゆったり暮らせる平屋の家」:エムズアソシエイツ施工事例
リビング横の大きな窓から出られるタイルデッキと大きな軒。窓の正面には植栽があり、庭はフェンスで囲われているため、プライバシーも安心

私たちは、一年を通して快適な住環境を実現するためには、コントロールが難しい「風」に頼るのではなく、より確実性の高い要素を設計の軸に据えるべきだと考えています。

気まぐれで計算しづらい「風」に頼るのではなく、その動きを正確に予測できる「太陽」の恵みを最大限に活かす

これこそが、エムズアソシエイツが考える、本当に快適な家づくりの基本です。

計算できる「太陽」と、気まぐれで計算できない「風」

太陽の動きは、季節や時間ごとの高度や方位を正確に予測することができます。

そのため、設計段階で「夏至のこの時間、太陽の光はここまでしか入らない」「冬至には、リビングの奥まで陽が差し込む」といったことを、緻密にシミュレーションし、計画することが可能です。

夏の高い位置からの日差しは深い軒(のき)で遮り、冬の低い位置からの暖かい日差しは室内にたっぷりと取り込む。

このように、計画できる太陽の特性を最大限に活かす日射コントロールは、パッシブデザインの基本であり、もっとも重要な要素です。

一方、「風」はどうでしょうか。

季節によって大まかな風向きの傾向はあるものの、日々の風向や風速は、その時々の気圧配置や周辺の地形によって刻一刻と変化します。

いくらシミュレーションを重ねても、「期待した通りの風が、一年中必ず吹いてくれる」という保証はどこにもありません。

だからこそエムズアソシエイツでは、不確実な「風」を主役にするのではなく、予測し、計画できる「日射」のコントロールを設計の最優先事項とし、心地よい季節の「風」は、暮らしを豊かにするエッセンスとして補助的に活かす、というスタンスを取っています。

日射を制すれば「大きな窓」と「快適性」は両立できる

この日射をコントロールするパッシブデザインにより、「大きな窓のある開放的なリビングが欲しい。でも、夏の暑さや冬の寒さは心配…」といった、多くの方が抱えるお悩みも解決できます。

実際に、軒や庇を緻密に設計することで、大きな窓が持つ開放感と、一年を通しての快適な暮らしを両立している事例を、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

冬の暖かい日差しは、最高の”無料暖房”になる

日射をコントロールする設計は、夏を涼しくするだけでなく、冬には驚くほどの暖かさをもたらしてくれます。

冬の穏やかな日差しを室内に取り込むことで、暖房に頼らなくても、まるで陽だまりのような心地よい空間をつくることができるのです。

実際に、冬の晴れた日には、日中の外気温が5℃まで上がらない日に、暖房を一切使わなくても室温が24℃まで上昇するお住まいもあります。

“本物の快適性”を支える絶対条件|高性能な「器(うつわ)」としての家づくり

ここまで、日射をコントロールし、時には自然の風を心地よく取り入れる、快適な家づくりの考え方についてお話ししてきました。

しかし、これらの設計の工夫がその効果を最大限に発揮するためには、絶対に欠かすことのできない大前提があります。

それが、住まいそのものの性能、すなわち「高気密・高断熱」であることです。

なぜ「高気密高断熱」が、すべての基本になるのか?

住宅の「高気密・高断熱化」とは、家全体を高性能な魔法瓶のような状態にすること、とイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。

まず「高断熱」とは、外の暑さや寒さの影響を室内に伝わりにくくすることです。

いくら冬に太陽の熱をたくさん取り込んでも、家の断熱性能が低ければ、その熱はどんどん外へ逃げていってしまいます。

築年数の古い実家で、昼の窓際はぽかぽか陽気だったけど、日が沈んだ瞬間一気に寒くなるなんて体験をした人も多いはず。

高断熱な「器」があってこそ、日射取得の効果が活きてくるのです。

 

そして「高気密」とは、家の中の隙間を限りなくゼロに近づけることです。

隙間だらけの家では、せっかく暖めたり冷やしたりした空気が外に漏れ出してしまい、エネルギーの無駄遣いになります。

気密性を高めると、計画的な換気ができるようになり、冷暖房の効率も格段に向上します。

この「高気密・高断熱」という土台があって初めて、これまでお話ししてきた日射のコントロールや、効果的な通風といった設計の工夫が、本当の意味で活きてくるのです。

実績数値が証明する、エムズアソシエイツの住宅性能(C値・UA値)

エムズアソシエイツでは、目に見えるデザインだけでなく、その土台となる住宅性能にこそ、徹底的にこだわっています。

そのこだわりを客観的な数値で示したものが、断熱性能を表す「UA値」と、気密性能を表す「C値」です。

私たちの住宅性能は、国の基準をはるかに上回るレベルにあります。参考として、近年の実績値をご紹介します。

断熱性能(UA値)
  • 過去150棟の平均値:0.339
  • 過去50棟の平均値:0.335
  • 過去最高値:0.22
気密性能(C値)
  • 過去150棟の平均値:0.323
  • 過去50棟の平均値:0.245
  • 過去最高値:0.06

さらに、全棟で自社での気密測定を実施し、その数値をすべてお客様に公開しています。

気密測定の機械

この高い性能は、設計から施工まで、見えない部分にも一切妥協しない私たちの「こだわり」の結晶です。

基礎断熱

床下も室内と捉え、基礎からしっかり断熱。シロアリ対策も万全です。

屋根・天井の断熱

一般的な天井断熱に加え、エムズアソシエイツでは「桁上断熱」も採用。小屋裏の温度環境を安定させ、夏の暑さや冬の寒さを和らげます。

壁の断熱・気密

壁の中の結露を防ぎ、断熱材の性能を長持ちさせる工夫をしています。

窓の断熱と設計

熱を伝えにくい「樹脂サッシ」と高性能ガラスを標準採用。さらに、太陽の光や熱を活かすパッシブ設計の考え方を取り入れ、方角に応じたガラスの使い分けています。

パッシブ設計

太陽の光や熱、風といった自然エネルギーを巧みに利用し、躯体性能や機械設備への依存を減らす設計。

高い気密性の確保

全棟で気密測定(C値測定)を実施し、C値0.08~0.4㎠/㎡という高い気密性能を確保しています。(平均C値=0.245)

こうした一つ一つの地道な積み重ねが、他社には真似のできない、圧倒的な住宅性能を実現しています。

プロが答えます!風通しの良い家の「よくある質問」

ここまで、風通しと快適な家づくりの関係について詳しく解説してきましたが、実際に家づくりを考える上では、さまざまな疑問や不安が浮かんでくることでしょう。

ここでは、お客様からよく寄せられるご質問に、設計士の視点からお答えします。

Q. 窓を開けると虫が入ってくるのが気になります…

A. 確かに、特に自然豊かな場所では虫の問題は気になりますよね。

最近では、網目の細かいタイプの網戸や、虫が嫌がる成分を練り込んだ「防虫網戸」といった製品も開発されています。

また、家の周りにミントやラベンダーなどのハーブを植えることも、手軽にできる虫除け対策としておすすめです。

設計段階でご相談いただければ、窓の種類や配置と合わせて、最適な対策をご提案します。

Q. 通風を良くすると、防犯面が心配です…

A. 開放性と防犯性は、家づくりにおいて常に考慮すべき重要なテーマです。

通風のために開けておきたい窓には、通風スリットシャッターや面格子を取り付けたり、ガラス破りに強い防犯ガラスを採用したりすることで、防犯性能を高めることができます。

また、少しだけ窓を開けた状態でロックできる、鍵付きの換気ストッパーが付いた窓を選ぶのも一つの方法です。

人が侵入しにくい高窓や地窓(床面に接した低い窓)を換気用として活用するなど、設計上の工夫で対応することも可能です。

Q. 24時間換気と、窓を開ける「自然換気」はどう使い分ける?

A. これは非常に良い質問ですね。

まず、「24時間換気システム」は、家全体の空気をゆっくりと計画的に入れ替えるための、いわば家の”呼吸”のようなもので、常に運転させておくのが基本です。

これは、シックハウス症候群の原因となる化学物質などを排出し、家族の健康を守るために法律で義務付けられています。

一方、窓を開けて行う「自然換気」は、気候の良い季節に自然の風の心地よさを楽しむための、暮らしの”オプション”と考えると分かりやすいでしょう。

換気量で言えば、窓開け換気は24時間換気システムと比べて圧倒的に多く、短時間で一気に空気を入れ替えたい場合に非常に効果的です。

例えば、料理の煙や臭いを素早く排出したい時などですね。

エムズアソシエイツでは、熱エネルギーのロスが少ない「熱交換型第一種換気」を標準採用しており、24時間換気による快適性と省エネ性を高いレベルで両立させています。

まとめ:「窓」との付き合い方が、住まいの快適性を変える

これまで、快適な住まいを実現するための「風通し」について、その基本から、心地よさを最大限に引き出すための知識までを解説してきました。

風を効果的に室内に取り込むための基本は、風の「入口」と「出口」を対角線上に設計することです。

しかし、この基本ルールだけで一年中心地よい暮らしが手に入るわけではありません。

本当に「風通し」を活かすためには、設計の視点を広げる必要があります。

特に、夏の高い「湿度」は快適性を損なう大きな要因となるため、むやみに窓を開けるのは逆効果。

むしろ、制御可能な「日射」を計画的に遮蔽・取得する設計を優先し、住宅そのものの「高気密・高断熱」性能を高めることが、快適な室内環境の土台を築きます。

この土台があって初めて、春や秋の本当に気持ちの良い季節に窓を開ける「自然換気」が、暮らしを豊かにする最高の付加価値となるのです。

  • 心地よい風の基本: 風の「入口」と「出口」の設計が重要。
  • 夏の落とし穴: 湿度の高い外気は、かえって不快の原因になる。
  • 快適性の新常識: 制御すべきは温度より「湿度」。
  • 設計の優先順位: 気まぐれな「風」より、計画できる「日射」が主役。
  • 大前提: 全ての工夫は「高気密・高断熱」な家があってこそ。

私たちエムズアソシエイツは、流行や常識に流されず、岐阜の気候を熟知した上で、一棟一棟データに基づいた最適な設計をご提案します。

言葉や写真だけでは伝えきれない、本物の心地よさを、ぜひ一度、私たちのモデルハウスでご体感ください。

画面越しでは感じることのできない、空気の質の違いにきっと驚かれるはずです。

また、家づくりに関するご相談も随時、無料でお受けしております。

お気軽にお問い合わせください。

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