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高気密高断熱でも結露?その答えは実は「壁」にある!見えない結露の対策とは?

結露は、快適な住まいづくりにおいて避けて通れない永遠のテーマと言えるでしょう。

特に窓の高性能化を図っている高気密高断熱住宅は、その性能の高さから「結露しにくい」とされています。

しかし一方で、

「高気密高断熱でも結露は起こる」

「結露が原因で健康を害することもある」

そんな情報を目にして、不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

では、なぜ高性能なはずの住まいで、結露のリスクが語られるのでしょうか?

その答えの鍵は、目に見えない壁の中、特に夏場の高温多湿な環境下で発生する「壁内・夏型結露」にあるのかもしれません。

この記事では、結露のメカニズムから、気密高断熱住宅でも結露が起こってしまう本当の原因、特に見落とされがちな「壁内結露」「夏型結露」のリスクについて詳しくご説明します。

さらに、それらを根本から防ぐためのエムズアソシエイツ独自の結露対策技術について、実際のデータをご覧いただきながら、分かりやすく解説していきます。

この記事を読めば、こんな疑問がスッキリ解決します!
  • 高性能住宅でも結露が発生する、その根本的な原因とは?

  • 放置すると怖い「壁内結露」「夏型結露」の具体的なリスクは?

  • 根本的な結露対策として、具体的にどのような技術があるの?

  • 結露しにくい家づくりってどうすればいい?

この記事を書いた人
松原 保嗣

プロフィール:
岐阜市拠点の株式会社エムズアソシエイツ代表取締役。20年以上、注文住宅の設計施工に携わり、高気密・高断熱住宅やパッシブデザインを取り入れた設計を通して、圧倒的な快適住空間を提供。自社ブログや年間100回以上のセミナー登壇を通じ、延べ500名以上の施主の家づくりを支援し、施主啓発にも努める。
保有資格:
日本エネルギーパス診断士、省エネ建築診断士、気密測定技能者、地盤インスペクター、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具専門相談員

目次

高気密高断熱の家が「結露しにくい」と言われる理由

まず、なぜ高気密高断熱住宅が「結露しにくい」と言われるのか、その基本的な理由から見ていきましょう。

正しく設計され、丁寧に建てられた高気密高断熱住宅には、結露を防ぐ上で大きな強みがあります。

① 部屋の温度が均一になりやすく「温度差」ができにくいから

結露が起こる主な原因は「温度差」です。

空気は、温度が高いほどたくさんの水蒸気を含むことができますが、冷えると含みきれなくなった水蒸気が水滴に変わります。

これが結露の仕組みです。

断熱性能が低い家では、特に窓ガラスの断熱性能が皆無の家では、冬に外の冷たい空気が壁や窓を通して伝わりやすく、部屋の中でも部分的に冷たい場所ができてしまいます。

暖房で暖まった部屋の空気が、そうした冷たい壁や窓に触れると、結露が発生しやすくなるのです。

冬型結露の仕組み図

特に、暖房が行き届きにくい部屋や北側の壁などは、温度差が大きくなり、結露のリスクが高まります。

一方、しっかりと窓まで断熱された家は、まるで魔法瓶のように家全体が保温され、外の気温の影響を受けにくくなります。

壁や天井、床に断熱材が隙間なく入っているため、家の中の温度差が非常に小さくなります。

暖房をつけたときも、部屋ごとの温度の違いはもちろん、壁や窓の表面の温度と室内の温度との差も小さく保たれるため、結露が起こる条件そのものができにくいというわけです。

家全体で温度差が少ない状態が実現しやすいのです。

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② 計画的な換気で「湿気」をうまくコントロールできるから

結露のもう一つの大きな原因は「湿気」です。

私たちは、呼吸や汗、料理、お風呂、洗濯物の部屋干しなど、毎日の生活の中で多くの水蒸気(湿気)を出しています。

この湿気が部屋の中にたまりすぎてしまうと、少しの温度差でも結露しやすくなってしまいます。
いくら性能の良い家でも、部屋の中での水蒸気が多いと、どうしても結露の原因になってしまします。

昔ながらの家のように隙間が多いと、自然に換気されているように感じるかもしれませんが、空気の流れがコントロールされていないため、かえって湿気がたまりやすい場所ができてしまうこともあります。

それに対して、隙間が非常に少ない高気密な家では、「計画換気システム」を使って、家全体の空気の流れをコントロールすることができます。

このシステムは、24時間、常に新鮮な外の空気を取り入れながら、室内の汚れた空気や余分な湿気を効率よく外に排出してくれます。

そのため、部屋の中の湿度を適切な状態に保ちやすく、結露やカビの発生を抑えることができるのです。

特に、熱交換機能が付いた換気システムなら、換気によって部屋の温度が急に変わることも少なく、より快適な環境を保てます。

このように、高気密高断熱住宅は、「温度差」と「湿気」という結露の主な原因を抑えやすい構造になっているため、「結露しにくい家」と言われているのです。

それでも「高気密高断熱で結露する」のはなぜ?本当の原因

「高気密高断熱住宅は結露しにくいはずなのに、どうして結露することがあるの?」

そう思いますよね。

それには、いくつかのハッキリとした理由があります。

見落としがちなポイントも含めて、主な原因を3つご紹介します。

原因1:丁寧な工事がされていないと、断熱材や気密シートの性能が発揮されない

どんなに性能の良い断熱材や湿気を防ぐシートを使っても、工事が丁寧に行われていなければ、その効果は十分に得られません。

例えば、壁の中に断熱材を入れるときに、柱の周りやコンセントの裏側などに隙間ができてしまう「断熱欠損」。

あるいは、壁の中への湿気の侵入を防ぐための「防湿気密シート」が破れていたり、シートのつなぎ目のテープがきちんと貼られていなかったりする「気密漏れ」。

こうした工事の不備がある場所は、冬には冷たい空気が入り込む通り道になり、夏には湿った空気が入り込む通り道になってしまいます

その結果、その部分だけが冷えたり、湿気が集まったりして、思いがけない結露を引き起こしてしまうのです。

「壁の中の見えない部分だから大丈夫だろう」と工事が雑になってしまうと、断熱効果が下がるだけでなく、結露によるカビや、家の構造を支える木材が傷むといった、もっと深刻な問題につながる可能性があります。

丁寧で確実な工事技術こそが、高気密高断熱住宅の性能を本当に引き出すための大切な要素なのです。

原因2:換気システムが計画通りに、きちんと動いていない

高気密住宅の快適さを保つためには、計画換気システムが正しく動き続けていることがとても大切です。

家を建てる前の設計段階で、換気経路や空気の量の計算が十分でなかったり、住み始めてからフィルターが汚れて目詰まりし、換気の力が落ちていたりすると、部屋の中の湿気をうまく外に出せなくなってしまいます。

また、意外と多いのが、「電気代がもったいないから」と換気システムを止めてしまったり、外からの空気の入口(給気口)をふさいでしまったりするケースです。

高気密住宅は隙間が少ないので、換気を止めてしまうと空気の流れが止まり、部屋の中はあっという間に湿気でいっぱいになってしまいます。

人が普通に生活しているだけで、かなりの量の水蒸気が出ているものです。

換気がきちんと行われていなければ、どんなに断熱や気密がしっかりしていても、結露のリスクは高まってしまうのです。

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【要注意!】原因3:見落とされがちな「壁内結露」と「夏型結露」

窓ガラスが曇るような、目に見える「表面結露」は比較的気づきやすいですが、本当に気をつけなければならないのは、壁の中や屋根裏など、普段は見えない場所で起こる「壁内結露(内部結露)」です。

冬に、暖房で暖まった部屋の湿気が壁の中に入り込み、外の寒さに近い壁の内部で冷やされて水滴になる。

これが冬型の壁内結露です。

さらに最近、特に岐阜のような夏が高温多湿になる地域で問題になっているのが「夏型結露(逆転結露)」です。

これは、夏に外の蒸し暑い空気が壁の中に入り込み、エアコンで冷やされた部屋の近く(壁の内側)で結露してしまう現象です。

夏型結露のメカニズム

これらの壁内結露や夏型結露は、外から見えないため気づきにくく、知らぬ間に断熱材がカビだらけになったり、柱や土台が腐ってしまったりしていることも少なくありません。

一般的な結露対策というと、窓の結露を防いだり、換気をしたりといったことが中心で、壁の中、特に夏型結露への対策が十分でない場合があります。

「高気密高断熱なのに結露する」という話の裏には、この見えない結露のリスクが見過ごされているケースが多いのです。

結露を放っておくとどうなる?健康と住まいへの影響を知っておこう

結露は、ただ水滴がつくというだけの現象ではありません。

そのままにしておくと、ご家族の健康を害し、大切な住まいの寿命を縮める直接的な原因となります。

「見える結露」と「見えない結露」の違いを知っておこう

まず、結露には大きく2つのタイプがあることを覚えておきましょう。

  • 表面結露:
    窓ガラスや、時には壁紙の表面など、目で見て確認できる場所にできる結露です。気づきやすいので、拭き取るなどの対応はできます。しかし、しょっちゅう起こるようだと、見えない箇所にカビが生えたり、窓枠や壁紙が傷んだりする原因になります。
  • 壁内結露(内部結露):
    壁の中、床下、屋根裏といった、普段は見えない場所で起こる結露です。冬に起こるタイプと夏に起こるタイプがあります。見えないところで静かに進行するため発見が遅れやすく、気づかないうちに深刻なダメージが進んでいることもあります。

特に注意が必要なのは、この「見えない結露」である壁内結露の方です。

カビやダニが増えて、家族の健康を脅かすことも

結露によってジメジメした状態が続くと、そこはカビやダニにとって、とても住み心地の良い場所になってしまいます。

カビは、見た目が気持ち悪いだけでなく、細かい胞子(ほうし)を空気中に飛ばします。

この胞子を吸い込んでしまうと、ぜんそくやアレルギー性の鼻炎、過敏性肺炎、シックハウス症候群などを引き起こす原因になることがあります。

また、ダニも湿気が多い場所が大好きです。

ダニの死骸やフンもアレルギーの原因(アレルゲン)となり、アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくなどを悪化させることがあることが近年わかってきました。

病院においてもアレルギーや喘息に対しては、住まいの環境を問診するような取り組みがあるとなおよいのではと考えます。

特に、体の抵抗力がまだ弱い小さなお子さんやお年寄り、もともとアレルギー体質の方がいらっしゃるご家庭では、結露が原因で起こる健康への影響は、決して軽く考えることはできません。

ご家族の健康を守るためにも、結露対策はとても大切なのです。

家の骨組みが傷んだり、断熱効果が下がったり…住まいの寿命にも影響

壁の中で結露が長い間続くと、家そのものにも大きなダメージを与えてしまいます。

湿気を含んだ木材は、木を腐らせる菌(木材腐朽菌)が繁殖しやすくなり、文字通りボロボロに「腐って」しまいます。

家の骨組みである柱や土台、梁などが腐ってしまうと、家の強さが弱くなり、地震に対する備えにも影響が出てしまう可能性があります。

また、湿った木材はシロアリの大好物でもあり、被害がさらに広がる恐れもあります。

さらに、壁の中に入っている断熱材が湿気を含むと、本来の断熱効果が大きく下がってしまいます

せっかく良い断熱材を使っていても、結露で濡れてしまっては台無しです。

冷房や暖房が効きにくくなり、余計な光熱費がかかってしまう原因にもなります。

つまり、壁内結露は、家の寿命を縮めてしまい、快適さや省エネ効果まで損なってしまう、とても深刻な問題なのです。

さらに言えば、壁の構造自体が、結露を発見しにくい、または湿気を通しにくい構造になっていると、さらに深刻なケースに発展する場合もあります。

【データ公開】見えない結露を防ぐ!エムズ独自の「壁の仕組み(壁層構造)」とは?

「壁の中の結露、特に夏場の結露が心配なのは分かったけれど、じゃあ、どうすれば防げるの?」

その疑問にお答えするのが、エムズアソシエイツが長年の家づくりの経験と研究を重ねて作り上げた独自の「壁の仕組み(壁層構造)」です。

私たちは、目に見えない壁の中の結露リスクをできる限りなくすため、使う素材選びから工事の方法まで、特別な工夫をしています。

湿気の侵入と排出を上手にコントロールする壁の仕組み

壁の中の結露を防ぐための基本的な考え方は、

「部屋の中の湿気を、できるだけ壁の中に入れないこと

そして、数十年経過して、万が一のことも想定

もしも壁の中に湿気が入ってしまったら、できるだけ早く外に逃がしてあげること

です。

エムズアソシエイツでは、この2つのポイントを大切に、壁内結露を起こさない(水気を発生させない)、壁層構造をとっています。

壁層構造(説明有り)

[室内側] ←─── 湿気の流れ(冬は主に内から外へ) ───→ [室外側]

[室内側] ←─── 湿気の流れ(夏は主に外から内へ) ───→ [室外側]

エムズアソシエイツの「壁層構造」は、以下の部材で構成されています。

室内側:

  • 防湿気密シート (VCLスマート): 室内からの湿気を防ぐ また、夏型逆転結露に対しては、外気から室内へ湿気を防ぐ構造(外気側からの湿度が一定以上になると、不織布が湿度調整を可能にするもの)

  • 高性能グラスウール: 断熱の主役 

外壁側:

  • 耐力面材: 透湿抵抗値の低い面材を採用(湿気を通しやすいもの)

  • 透湿防水シート: 湿気は通し、水を防ぐ

  • 通気層: 湿気を効果的に排出する

  • 外壁材: 雨風から家を守る

①湿気の侵入を防ぐ「特別な湿気対策シート」

まず、部屋の内側に、湿気を通しにくい特別なシート(防湿気密シート)を隙間なく丁寧に貼ります。

これによって、冬に部屋の中の暖かい湿気が壁の中へ入り込むのを防ぎます。

シートとシートのつなぎ目や、貫通ボルトの穴、コンセントボックス周りなど、わずかな隙間も、気密テープや専用部材でしっかり塞ぎ、湿気の侵入を徹底的に防ぎます

②もしもの湿気を外へ逃がす「透湿防水シート」

でも、どんなに完璧に工事をしても、長い年月の中では何が起こるか分かりません。

そこで、もしも壁の中に湿気が入ってしまった場合に備えて、「透湿防水シート」と「透湿抵抗値の低い耐力面材」を使用し、湿気を外に排出します。

「透湿防水シート」は、水は通さないのに湿気は通す、特殊なシートです。

さらに、そのシートの外側には「通気層」と呼ばれる空気の通り道をわざと作っておきます。

こうすることで、壁の中に入ってしまった湿気は、透湿防水シートを通り抜けて、この通気層を通ってスムーズに家の外へ排出される仕組みになっているのです。

このように、「内側で湿気をしっかりガードし、外側でスムーズに排出する」という二重の対策によって、万が一壁の中に湿気がとどまっても、壁内の結露が起こるリスクをグッと減らせます。

岐阜の夏特有の夏型結露も防ぐ、高機能な「防湿気密シート」

さて、ここで特に注目していただきたいのが、先ほど少し触れた「夏型結露」への対策です。

岐阜のように夏が高温多湿になる地域では、冬とは反対に、外から壁の中に湿気が入り込み、エアコンで冷えた部屋側の壁の近くで結露してしまうリスクがあります。

一般的に使われている湿気対策シート(防湿気密シート)は、ただ単に湿気を通しにくい(=透湿抵抗が高い)だけのものがほとんどです。

そのため、夏場に壁の中に入り込んだ湿気が部屋の内側へ抜けられず、シートの手前(壁の中)で結露してしまう可能性があるのです。

そこで、エムズアソシエイツが選んでいるのが、周りの湿度に合わせて湿気の通しやすさが変化する、とても賢い特殊なシート「VCLスマート」です。

「VCLスマート」の特徴
  • 冬(空気が乾燥しているとき):
    このシートは通常時は湿気を通しにくく(=透湿抵抗が高く)なり、部屋の中の湿気が壁の中へ入り込むのをしっかりと防ぎます。
  • 夏(湿度が高いとき):
    今度は逆に、湿度が高くなると湿気を通しやすく(=透湿抵抗が低く)なり、壁の中に入り込んでしまった湿気を、積極的に部屋の内側へと逃がしてくれます。(部屋の中に入った湿気はエアコンの除湿機能などで処理されます)

この「VCLスマート」を使うことで、冬の結露はもちろん、対策が難しいと言われる夏の「夏型結露」のリスクも、とても効果的に防ぐことができるのです。

季節による湿度の変化にうまく対応してくれる、まさに名前の通りスマートなシートと言えますね。

【シミュレーション比較】一般的な家とエムズの家、夏型結露リスクの違いは?

言葉だけだとイメージしにくいかもしれませんので、実際に結露のリスクを計算できる専門のソフトを使ったシミュレーション結果を見てみましょう。

①冬の壁内結露リスクのシミュレーション:エムズの壁層構造はリスクは極めて低い

まずは、エムズアソシエイツが採用する独自の壁層構造で、冬場の厳しい条件(室温20℃、外気温0℃)を想定した場合のシミュレーションです。

壁の中で結露が発生しやすいかどうかを見てみましょう。

下の図はエムズ独自の壁層構造を絵図にしたものです。

エムズ独自の壁層構造

そして、以下の図が、この壁層構造で結露リスクをシミュレーションしたものです。

壁層構造で結露リスクをシミュレーション

凡例:青線(実際の温度)、赤線(結露が始まる温度=露点温度)

グラフの青い線は壁の中の実際の温度、赤い線は結露が始まってしまう温度(露点温度)を示しています。

この2本の線がくっついている場所は、結露が発生しやすい危険な状態です。

しかし、このグラフを見ると、壁の中のどの部分でも青線と赤線が大きく離れていることが分かります。

これは、冬場の厳しい寒さの中でも、壁の中で結露が発生する可能性が極めて低い、安全な状態であることを示しています。

この結果から、エムズアソシエイツの基本的な壁の仕組みが、冬場の壁内結露に対してもしっかりと対策されていることが分かります。

②夏型結露リスクのシミュレーション:シートの違いでこんなに差が出る!

次に、特に注意が必要な「夏型結露」について、防湿気密シートの違いによるリスクの差を見てみましょう。

ここでは、夏場の厳しい条件(室温24℃、外気温35℃、湿度高め)を想定し、「一般的な防湿気密シート」を使った場合と、「VCLスマート」を採用したエムズアソシエイツの壁の場合で比較しました。

【一般的な湿気対策シートを使った場合の夏型結露リスク】

一般的な気密シート使用時の壁層構造 と使用時の夏型結露の発生リスク(室温24℃/外気温35℃)

凡例:青線(実際の温度)、赤線(結露が始まる温度=露点温度)

こちらが、一般的に使われる防湿気密シートを用いた場合のシミュレーション結果です。

グラフを見ると、部屋の内側に近い部分(防湿気密シートのあたり)で、青線(実際の温度)と赤線(結露が始まる温度)がほぼ重なってしまっています

これは、この場所で空気中の水蒸気が水滴に変わり、「夏型結露」が発生してしまう可能性が高いことを示しています。

【エムズ仕様(VCLスマート使用時)の夏型結露リスク】

夏型結露防止タイプの気密シート使用時の壁層構造と使用時の夏型結露の発生リスク(室温24℃/外気温35℃)

凡例:青線(実際の温度)、赤線(結露が始まる温度=露点温度)

一方、こちらがエムズアソシエイツが採用する、「防湿気密シート(VCLスマート)」を使った場合のシミュレーション結果です。

先ほどのグラフとはまったく違い、壁の中のどの部分を見ても、青線(実際の温度)と赤線(結露が始まる温度)がきれいに離れています。

これは、壁の中で結露が発生する可能性が極めて低い、非常に安心できる状態であることを示しています。

 

この2つのシミュレーション結果を比べると、エムズアソシエイツの「壁の仕組み(壁層構造)」と「VCLスマート」の組み合わせが、岐阜の厳しい夏でも、壁内結露のリスクを最小限に抑え、快適に過ごせることが、客観的なデータによってハッキリと分かります。

壁だけじゃない!「結露させない家」を支える見えない工夫

ここまで、エムズアソシエイツ独自の「壁層構造」が、いかに壁内結露、特に夏型結露を防ぐ上で効果的か、データをもとに詳しくご説明してきました。

しかし、どんなに優れた壁の仕組みも、それだけで完璧な結露対策となるわけではありません。

その効果を最大限に引き出し、家全体の快適性と耐久性を高めるためには、他の様々な技術要素がしっかりと連携し、家全体の「総合力」として機能することが不可欠なのです。

壁以外の「見えない部分」へのこだわりがあってこそ、本物の性能が発揮されます。

ここでは、エムズアソシエイツの結露対策を支える、壁以外の重要な技術要素について、その考え方のポイントを簡単にご紹介します。

壁の性能を最大限に!見えない部分への「気密・防水」のこだわり

エムズアソシエイツが自信を持っている「壁の仕組み(壁層構造)」の効果を、最大限に引き出すためには、それをしっかりと支える「気密工事」と「防水工事」の丁寧さが絶対に欠かせません。

私たちは、家が完成したら見えなくなってしまう部分にこそ、とことんこだわっています。

  • 気密性へのこだわり:

    壁の中への湿気の侵入を防ぎ、計画換気を有効に機能させるためには、家の隙間を極限まで減らす「高気密」施工が欠かせません。
    エムズアソシエイツでは、全棟で気密測定を行い、C値0.4以下という厳しい目標値を掲げ、熟練の職人が細部まで丁寧に気密処理を行っています。
    詳しい気密施工については、別途記事を準備中です。

  • 防水性へのこだわり:
    壁内結露だけでなく、雨漏りによる水の侵入も家の寿命を縮める大敵です。
    特に雨漏りリスクの高いサッシ周りには、手間を惜しまず「先貼り防水」を施し、外壁下地には継ぎ目の少ない「3m幅の透湿防水シート」を採用するなど、見えない部分での防水対策を徹底しています。
    詳しい防水施工については、別途記事を準備中です。

  • 細部の断熱処理:
    性能計算には表れにくい、貫通ボルト部分や配管まわりなど、熱が伝わりやすく結露しやすい「弱点」となりうる箇所にも、断熱材の充填や気密テープ処理といった細やかな対策を施し、性能の底上げを図っています。

 

私たちは、「ちょっとやりすぎじゃない?」と言われるくらい、徹底した対策を行っていますが、長く安心して暮らしていただくためには、これくらいの備えが必要だと考えています。

壁だけじゃない!家全体で考える、エムズの「結露しにくい家」の仕組み

壁の構造や工事の丁寧さは結露対策の中心ですが、本当に快適で結露しにくい家をつくるためには、家全体のいろいろな部分がうまく連携することが大切です。

エムズアソシエイツでは、壁以外にも様々な工夫を取り入れています。

  • 基礎・小屋裏からの影響も遮断:
    地面からの冷気や湿気、屋根からの熱の影響も無視できません。エムズでは、床下空間を安定させる「基礎断熱」や、屋根からの熱をしっかり防ぎつつ将来のメンテナンス性も考慮した「小屋裏気密・断熱施工」を採用し、家全体を隙間なく断熱・気密ラインで包み込んでいます。
  • 自然素材による穏やかな調湿:
    内装に標準採用している塗り壁「ダイアトーマス」や「無垢材フローリング」は、それ自体が呼吸するように湿気を吸ったり吐いたりする「調湿効果」を持っています。これにより、室内の湿度変化を穏やかにし、結露抑制をサポートします。ビニールクロスを使わない健康面への配慮も大切にしています。
    自然素材による調湿については、別途記事を準備中です。

  • 適切な換気システムによる湿気排出:
    高気密住宅には必須の計画換気。エムズでは、熱と湿度を回収しながら換気できる第一種熱交換換気の「エアセーブ」を推奨しています。これにより、換気によるエネルギーロスを抑えつつ、室内の余分な湿気を効率的に排出し、結露リスクを低減しながら快適な空気環境を保ちます。
    第一種熱交換換気については、別途記事を準備中です。

 

このように、壁層構造という核心技術を、確かな施工品質と家全体の温湿度コントロール技術で支えること。

これが、エムズアソシエイツが提供する「本当に結露しにくい家」の全体像なのです。

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まとめ:一番の結露対策は「工務店選び」技術と実績で選ぼう!

高気密高断熱住宅は、きちんと設計され、丁寧に建てられていれば、本来は結露しにくい、とても優れた住まいです。

しかし、「工事の丁寧さ」「換気計画」、そして特に見過ごされやすい「壁の中の結露」や「夏場の結露」といった要因によって、残念ながら結露のリスクはゼロではありません。

そして、その結露が引き起こすカビや健康への影響、家の傷みは、決して軽く考えてはいけない問題です。

エムズアソシエイツでは、この見過ごされがちな深刻なリスクに対して、

  • 独自の「壁の仕組み(壁層構造)」と高機能シート「VCLスマート」の採用
  • 過去50棟平均C値0.245の高い気密性を誇る、妥協しない丁寧な施工(C値=0.1を切る施工事例も複数あり)
  • 基礎・小屋裏断熱、自然素材、熱交換換気など、家全体の力を合わせた総合的な取り組み
 

 

といった、様々な角度からの工夫によって、「見えない結露」を根本から防ぐ家づくりを追求しています。

私たちは、目先のコストやデザインだけでなく、建ててから何十年という長い期間、ご家族が安心して快適に暮らせることを何よりも大切に考えています。

壁の中の見えない部分に真剣に向き合うことこそが、本当の価値だと信じています。

結露の不安から解放され、一年中快適に、長く安心して暮らせる住まい。

エムズアソシエイツが自信を持ってお届けするその快適さと、見えない部分へのこだわりを、ぜひモデルハウスでご体感ください。

言葉やデータだけでは伝えきれない、本物の心地よさが待っています。

結露対策や家づくりの疑問・ご相談も、どうぞお気軽にお寄せください。

家づくりに対する疑問や不安に、誠心誠意お応えします。

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