
断熱材の種類と特徴を比較|住宅のプロが本気で選ぶ断熱材とは?

投稿日:2025.01.31 最終更新日:2025.03.27

新築やリフォームを検討する際、断熱材選びは家の快適性や省エネ性能を大きく左右する重要なポイントです。
しかし、断熱材には様々な種類があり、それぞれにメリット・デメリットが謳われ、情報が溢れています。
「断熱材は、結局どれが本当に良いの?」
という疑問はよくいただく質問です。
そこでこの記事では、超高気密高断熱を実現しているエムズアソシエイツが、断熱材を選んだ経緯を踏まえて、断熱材の種類と特徴、メリット・デメリットも分かりやすくご紹介します。
さらに、エムズアソシエイツは、どんな点を重視し、どんな断熱材を選んだのか、その判断基準も詳しく解説します。
エムズアソシエイツ代表の松原が、Youtubeでも断熱材について解説しています!

松原 保嗣
プロフィール:
岐阜市拠点の株式会社エムズアソシエイツ代表取締役。20年以上、注文住宅の設計施工に携わり、高気密・高断熱住宅やパッシブデザインを取り入れた設計を通して、圧倒的な快適住空間を提供。自社ブログや年間100回以上のセミナー登壇を通じ、延べ500名以上の施主の家づくりを支援し、施主啓発にも努める。
保有資格:
日本エネルギーパス診断士、省エネ建築診断士、気密測定技能者、地盤インスペクター、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具専門相談員
目次
断熱材選びの前に知っておきたい基礎知識
ここでは、最適な断熱材を選ぶための基礎知識として、まず、断熱材の働きとその重要性について解説します。
断熱材とは?
断熱材とは、熱の伝導を抑えることで、建物内外の温度差を保つ役割を果たす材料です。
熱は、温度の高い方から低い方へ移動する性質があります。
断熱材は、この熱の移動を妨げることで、室内の温度を一定に保ち、冷暖房効率を高める効果があります。
断熱性能は、「熱伝導率」という指標で表されます。
熱伝導率とは、物質の熱の伝わりやすさを示す値で、数値が小さいほど熱を伝えにくく、断熱性能が高いことを意味します。
例えば、熱伝導率が0.03W/(m・K)の断熱材は、0.05W/(m・K)の断熱材よりも断熱性能が高いと言えます。

断熱性能等級はこう変わる!義務化によるこれからの地域別基準と性能アップの秘訣を解説
「断熱性能等級」という言葉、最近よく耳にするけど、実際どういうものかよくわからない…という方も多いのではないでしょうか。 新築を計画中の方や、今の住まいをより快適にしたい方にとって、断熱性能は見逃せないポイントです。 特に2025年以降は、断熱性能等級4以上が義務化される流れで、住宅の省エネ基準
断熱材の種類【主に3つに分類、近年よく使われる5つの断熱材】
断熱材は、その主原料によって大きく「繊維系」「発泡プラスチック系」「その他」の3種類に分類されます。
分類 | 特徴 | 代表的な断熱材 |
---|---|---|
繊維系 | 空気を繊維の間に閉じ込め、安価で扱いやすい 防音性も高いが、湿気吸収に注意 |
グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー |
発泡プラスチック系 | 軽量で断熱性能が高い 火災時に燃焼・有毒ガスリスクがある |
ウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム |
その他 | 環境負荷が少ない天然素材 価格が高めで施工にやや手間がかかる |
羊毛、木質繊維 |
繊維系断熱材
繊維系断熱材には、グラスウールやロックウール、セルロースファイバーなどが含まれます。これらは非常に細い繊維の間に空気の層を形成し、熱の伝わりを抑えるしくみで断熱性能を発揮します。
- コスト面:比較的安価なため、日本国内でも広く普及
- 防音性能:グラスウールはスタジオなどにも使用され、防音にも効果的
- 注意点:湿気を吸い込むと性能が落ちるため、施工時に適切な防湿対策が不可欠
発泡プラスチック系断熱材
発泡プラスチック系断熱材は、プラスチックを発泡させて作るため軽量で扱いやすく、高い断熱性能を備えています。代表的な例として、ウレタンフォームやポリスチレンフォームがあります。
- 軽量・断熱性能:高い断熱効果を持ち、リフォームなどでも扱いやすい
- 火災リスク:燃えやすい素材であるため、火災時には有毒ガスが発生する可能性
- 施工性:発泡スプレータイプのウレタンフォームなどは複雑な形状にも対応しやすい
天然素材系断熱材(その他)
羊毛や木質繊維などの天然素材を原料とする断熱材も存在します。環境への負荷が少なく、調湿性に優れるのが特徴です。
- 環境負荷:再生可能な自然素材を使うため、製造過程でのCO₂排出量が少ない
- 調湿効果:湿度が高い時には水分を吸収し、乾燥している時には放出する働き
- 価格・施工コスト:一般的に市場価格が高めで、熟練した施工者が必要になるケースが多い
断熱材は、その主原料によって大きく「繊維系」「発泡プラスチック系」「その他」の3種類に分類されます。
- 繊維系断熱材: 細かい繊維の間に空気を閉じ込めることで断熱効果を発揮するタイプです。
- 発泡プラスチック系断熱材: プラスチックを発泡させて作る断熱材で、細かい気泡の中に空気を閉じ込めることで高い断熱性能を発揮します。
- その他: 羊毛や木質繊維など、天然素材を原料とする断熱材などがあります。
近年よく使われる5つの断熱材
近年、住宅用としてよく使われている断熱材は、主に以下の5つです。
- 吹付ウレタンフォーム: 現場でウレタンを吹き付けて発泡させるタイプの断熱材です。
- セルロースファイバー: 新聞古紙などをリサイクルして作られた繊維系の断熱材です。
- プラスチックパネル系: 硬質の発泡プラスチックを板状に成形した断熱材です。
- 袋入りグラスウール: ガラス繊維を袋に詰めたタイプの繊維系断熱材です。
- 高性能グラスウール: 従来のグラスウールよりも繊維が細く、密度が高い繊維系断熱材です。
種類別断熱材の性能・特徴比較一覧表
各断熱材の説明に入る前に、これらの断熱材を比較表を用いて表してみました。
ここでは、近年よく使われる5つの断熱材の性能・特徴を一覧表で比較します。
吹付ウレタンフォーム | セルロースファイバー | プラスチックパネル系 | 袋入りグラスウール | 高性能グラスウール | |
---|---|---|---|---|---|
コスパ | △ | △ | × | ○ | ○ |
断熱性能 | ◎ | ○ | ◎ | △ | ○ |
耐久性 | 不明 | ○ | 不明 | ◎ | ◎ |
可変性(リフォーム) | × | × | ○ | ○ | ○ |
透湿性 | △ | ◎ | × | ◎ | ◎ |
雨漏れ発見 | × | ○ | × | ○ | ○ |
防音・吸音性 | ○ | ◎ | △ | ○ | ○ |
燃焼・可燃 | △ | △ | × | ◎ | ◎ |
環境配慮 | △ | ◎ | △ | ○ | ○ |
地震時リスク | × | △ | × | △ | ◎ |
白蟻リスク | × | ◎ | × | ◎ | ◎ |
◎:非常に優れている
○:優れている
△:やや劣る/注意点あり
×:劣る/リスクが高い
不明:情報不足・データ不足
※ 上記は一般的な評価であり、製品によって性能は異なります。
【7種類比較】断熱材のメリット・デメリット
それでは、上記の比較表で取り上げた、近年よく使用される断熱材とその他の断熱材(ロックウール、ポリエチレンフォーム)について、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
各断熱材のより詳細な説明については、別記事で詳しく解説する予定です。
①吹付ウレタンフォーム
吹付ウレタンフォームは、現場でウレタンを吹き付けて発泡させるタイプの断熱材です。
高い気密性と断熱性を持ち、専門業者による施工で品質が安定しやすい点がメリットです。
一方、火災時のリスクや、配線等の変更の難しさ、湿気を通しにくい点、耐久性への懸念などがデメリットとして挙げられます。
メリット
- 高い気密性
- 高い断熱性
- 施工の容易さ(専門業者による施工)
デメリット
- 施工後の配線やコンセント、スイッチの変更不可
- 厚みの均一化が難しく、カット部分がゴミになる
- 湿気を通しにくい
- 火災時のリスク(燃焼性、有毒ガス)
- 耐久性への懸念
- 将来の劣化リスク

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②セルロースファイバー
セルロースファイバーは、新聞古紙などをリサイクルして作られた環境に優しい断熱材です。
断熱性に加え、調湿性や防音・吸音性にも優れています。
しかし、沈下の可能性や、配線変更の難しさ、高い気密性を確保しづらい点がデメリットです。
メリット
- 環境に優しい(リサイクル材)
- 防音・吸音性
- 防虫・防カビ性能に極めて優れている
- 高い断熱性
- 調湿性
デメリット
- 施工後の配線やコンセント、スイッチの変更不可
- 沈下ですき間ができる可能性
- 高気密化が難しい

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③発砲プラスチックパネル系
プラスチックパネル系は、硬質の発泡プラスチックを板状に成形した断熱材で、非常に高い断熱性能を誇ります。軽量で加工しやすい点もメリットです。
ただし、火災時の燃えやすさや、湿気を通しにくい点、地震時の破損リスク、コストの高さが課題となります。
メリット
- 非常に高い断熱性
- 軽量で加工しやすい
- カットしやすく施工性がいい
デメリット
- 火災時のリスク(燃焼性)
- 湿気を通しにくく、壁内結露リスクがある
- 地震時の破損リスク
- コスト高

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④袋入りグラスウール
袋入りグラスウールは、ガラス繊維を袋に詰めた、最も一般的な断熱材の一つです。コストパフォーマンスと耐火性に優れています。
しかし、湿気に弱く、施工精度によって性能が左右され、経年で沈下する可能性もあります。
メリット
- コストパフォーマンス
- 耐火性
- 施工性(ただし、反面リスクが多い)
デメリット
- 湿気に弱い
- 施工精度に依存
- 経年で沈下の可能性
- 密度が低いので断熱性能が低い

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⑤高性能グラスウール
高性能グラスウールは、従来のグラスウールより繊維が細く密度が高いため、高い断熱性と耐久性を持ちます。また、火災に強く、透湿性にも優れています。
ただし、施工には高い精度が求められ、水濡れ対策も必要です。
メリット
- 高い断熱性
- 高い耐久性
- 耐火性
- 透湿性
- 吸音性
- 復元性
- 環境配慮
デメリット
- 施工精度が求められる
- 水濡れ対策が必要
- 防湿気密シートの施工に手間とコストがかかる

デメリット以上のメリット!高性能グラスウール断熱材をプロが推奨するワケ
今回は、これまで解説してきた数ある断熱材の中でも、超高気密高断熱を実現しているエムズアソシエイツが自信を持って推奨する「高性能グラスウール」について紹介します。 グラスウールの性能ってどうなの? グラスウールは気密性が高くないって本当? グラスウールはあまり使わない方がいい断熱材
⑥ロックウール
ロックウールは、鉱物を主原料とする断熱材で、断熱性、耐火性、撥水性、耐久性に優れています。
また、防音・吸音性も高いのが特徴です。
ただし、グラスウールに比べると、コストが高く、やや重い点がデメリットです。
メリット
- 高い断熱性
- 高い耐火性
- 撥水性
- 耐久性
- 防音・吸音性
デメリット
- コスト高(グラスウール比)
- やや重い
- 柔軟性が低い(グラスウール比)
⑦ポリエチレンフォーム
ポリエチレンフォームは、ポリエチレン樹脂を発泡させた断熱材で、高い断熱性と耐水性を持ちます。軽量で加工しやすいのも利点です。
一方、コストが高く、熱や紫外線に弱い点、火災時の安全性に課題がある点がデメリットです。
メリット
- 高い断熱性
- 耐水性・耐湿性
- 軽量で加工しやすい
- 高い耐久性
デメリット
- コスト高
- 耐熱性が低い
- 火災時のリスク
- 紫外線に弱い
- 白アリに弱い
目的別・重視する性能別で選ぶ
ここからは、断熱性能、価格、防火性能、環境性能といった、特に重視されることが多い4つの視点から、それぞれおすすめの断熱材を紹介していきます。
ご自身の優先順位と照らし合わせながら、最適な断熱材を見つけるための参考にしてください。
最高の断熱性能を求めるなら:発泡プラスチック系がおすすめ
- 重視する性能: 断熱性能
- おすすめ断熱材: 吹付ウレタンフォーム、プラスチックパネル系
- 特徴: 熱伝導率が低い、高い気密性を確保しやすい
- 注意点: 価格が高い、火災時の安全性、経年劣化
住宅の断熱性能を最も重視するなら、熱伝導率が低く、断熱性能に優れた「ウレタンフォーム」や「プラスチックパネル系」などの発泡プラスチック系断熱材がおすすめです。
これらの断熱材は、繊維系断熱材や無機系断熱材と比較して、同じ厚みでより高い断熱性能を発揮します。
特に、現場で吹き付けて施工する「吹付けウレタンフォーム」は、細かい隙間にも充填できるため、高い気密性を確保できます。
これにより、断熱材の性能を最大限に引き出し、冷暖房効率を高めることが可能です。
ただし、発泡プラスチック系断熱材は、他の断熱材に比べて価格が高い傾向にあります。
また、火災時の安全性や経年劣化による性能低下などの懸念点もあるため、これらの点を考慮して選ぶ必要があります。
費用・コスパで選ぶなら:グラスウールがおすすめ
- 重視する性能: コストパフォーマンス
- おすすめ断熱材: 袋入りグラスウール、高性能グラスウール
- 特徴: 安価、幅広い普及
- 注意点: 湿気に弱い、施工精度に左右される
初期費用を抑え、価格を重視するなら、「袋入りグラスウール」や「高性能グラスウール」などの繊維系断熱材がおすすめです。
これらの断熱材は、発泡プラスチック系断熱材に比べて安価であり、広く普及しています。
特に「袋入りグラスウール」は、他の断熱材と比べて価格が安く、コストパフォーマンスに優れています。
ただし、袋入りグラスウールは湿気に弱く、施工精度によって性能が左右されやすいため、注意が必要です。
より高い断熱性能と耐久性を求める場合は、「高性能グラスウール」も検討しましょう。
火災への強さで選ぶなら:不燃性の無機質系が安心
- 重視する性能: 防火性能
- おすすめ断熱材: グラスウール、ロックウール
- 特徴: 不燃性、延焼リスクを低減
- 注意点: ロックウールは重く、施工性にやや劣る
火災時の安全性を考慮し、防火性能を重視する場合は、「グラスウール」や「ロックウール」などの無機質系断熱材がおすすめです。
これらの断熱材は、不燃性であり、火災時の延焼リスクを低減できます。
特に「ロックウール」は、主原料が岩石であるため、燃えにくく、熱に強いという特長があります。
また、水を弾く性質(撥水性)があるため、湿気による断熱性能の低下が少ないこともメリットです。
ただし、ロックウールはグラスウールと比較して重く、施工性にやや劣る点には注意が必要です。
地球環境への優しさで選ぶなら:環境性能で選ぶならセルロースファイバー
- 重視する性能: 環境性能
- おすすめ断熱材: セルロースファイバー
- 特徴: リサイクル素材、環境負荷が小さい、調湿効果が高い
- 注意点: 価格が高い、施工できる業者が限られる
環境性能を重視する場合は、リサイクル素材を使用した「セルロースファイバー」がおすすめです。
これらの断熱材は、製造から廃棄までのライフサイクル全体における環境負荷が小さいことが特徴です。
「セルロースファイバー」は、新聞古紙などのリサイクル素材を原料としており、環境に優しい断熱材として注目されています。
また、木質繊維が湿気を吸収・放出するため、調湿効果が高く、結露を防ぎやすいこともメリットです。
ただし、他の断熱材に比べて価格が高く、専門業者が少ないため、施工できる業者が限られるというデメリットもあります。
エムズアソシエイツは高性能グラスウールを推奨
エムズアソシエイツでは、高性能グラスウールを推奨しています。
それは、ただ断熱性能が高いというだけでなく、日本の住環境に最適な、長持ちする家づくりのための、最もバランスの取れた選択であると考えるからです。
エムズアソシエイツの断熱材に対する考え方
私たちは、断熱材は単に断熱性能だけでなく、長期的な視点で住まいの安全、快適さ、そして環境への優しさにもつながる大切な要素だと考えています。
近年、施工が簡単、管理が楽、といった工務店側の都合を優先した商品も多く、本当に施主様のためになるのか、疑問に感じることも少なくありません。
私たちは、単なる断熱性能、あるいは目先のコストや効率だけでなく、住まう人の健康、安全性、快適性、そして環境への影響を、長期的な視点で考えることが重要であると考えています。
安易な施工は、シックハウス症候群のような健康被害を引き起こすリスクもあります。
エムズアソシエイツは、そうした家づくりの経験から、断熱性能は大前提として、以下の点を重視し、断熱材を選定しています。
- 長く快適に住まうための性能: 断熱性能はもちろん、湿気対策や耐久性も考慮し、長く快適に住み続けられる家を実現すること。
- 将来の安心: リフォームなど、将来的な変更にも柔軟に対応できるよう、可変性も考慮すること。
- 安全性の確保: 火災や地震などの災害時にも、居住者の安全を確保できる断熱材であること
具体的には以下の点です。
- 断熱性能: 大前提。熱を伝えにくく、室内の温度を快適に保つこと
- 耐久性: 長期間にわたって性能を維持し、建物の寿命を延ばすこと
- 透湿性: 壁内の湿気を逃がし、結露・カビを防ぐこと
- 可変性: 将来のリフォームや間取り変更に柔軟に対応できること
- 安全性: 火災などの災害時に、居住者の安全を守ること
- 地震時のリスク: 地震の揺れによる断熱材の破損やズレを最小限に抑え、断熱欠損を防ぐこと
- 白蟻リスク: 白蟻被害のリスクを低減すること
高性能グラスウールを推奨する理由
上記の考えに基づき、私たちは高性能グラスウールを推奨しています。
その理由は、高性能グラスウールが、耐久性、透湿性、可変性、安全性、耐震性、そしてコスト面で、総合的に優れた性質を持っているからです。
特に、無機質のガラス繊維でできているため、経年劣化が少なく、湿気を通しやすい点は、日本の住宅に最適です。
また、火に強く、地震の揺れにも柔軟に対応できる点も、安心できるポイントです。
さらに、施工においては、配線と断熱材を分離するなど、性能を最大限に引き出す工夫を徹底しています。
「なぜ、高性能グラスウールが優れているのか?」「具体的にどのように施工するのか?」といった、より詳しい情報については、下記の記事で詳しく説明しています。

デメリット以上のメリット!高性能グラスウール断熱材をプロが推奨するワケ
今回は、これまで解説してきた数ある断熱材の中でも、超高気密高断熱を実現しているエムズアソシエイツが自信を持って推奨する「高性能グラスウール」について紹介します。 グラスウールの性能ってどうなの? グラスウールは気密性が高くないって本当? グラスウールはあまり使わない方がいい断熱材
断熱材の性能だけでなく工法も考慮しよう!
断熱材の性能を最大限に引き出すためには、「断熱工法」も重要です。どんなに高性能な断熱材を選んでも、施工が不適切であれば、十分な断熱効果は得られません。
断熱材の施工方法には、主に「充填断熱」「外張り断熱」「付加断熱」の3種類があります。
それぞれの施工方法にはメリット・デメリットがあり、住宅の構造や断熱材の種類によって最適な方法は異なります。
工法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
充填断熱 | 比較的安価、多くの住宅で採用 | 隙間なく充填するのが難しく、施工精度によって性能が左右される |
外張り断熱 | 断熱材が途切れず高断熱、壁体内結露対策に有効 | 充填断熱に比べてコストが高い |
付加断熱 | 充填断熱と外張り断熱のメリットを併せ持つ、より高い断熱性能 | コストが最も高い |
- 充填断熱: 柱や梁の間に断熱材を充填する方法です。比較的安価で、多くの住宅で採用されています。ただし、隙間なく充填することが難しく、施工精度が低いと断熱性能が低下する可能性があります。
- 外張り断熱: 建物の外側を断熱材で覆う方法です。断熱材が途切れないため、高い断熱性能が期待できます。また、壁体内の結露対策としても有効です。ただし、充填断熱に比べてコストが高くなる傾向があります。
- 付加断熱: 充填断熱と外張り断熱を組み合わせた方法です。それぞれのメリットを活かし、より高い断熱性能を実現できます。ただし、コストは最も高くなります。
どの工法を選ぶかは、住宅の構造、予算、求める性能などを考慮して、総合的に判断する必要があります。

独自技術を公開!高断熱住宅の断熱工法選びとエムズアソシエイツの6つのこだわり
住宅の断熱性能を高めることは、快適な住環境を実現し、光熱費を削減する上で非常に重要です。「断熱」と一言で言っても、その工法は様々です。 中でも主要なのが、壁の中に断熱材を充填する「充填断熱」と、建物の外側から断熱材を張り付ける「外張り断熱」です。それぞれにメリット・デメリットがあるため、どちらが優
断熱材選びでよくある3つの質問に専門家が回答!
ここでは、断熱材についてよくある質問とその回答をQ&A形式でご紹介します。
1. 断熱材の選び方全般に関するFAQ
Q1: 新築とリフォームで選ぶ断熱材は違いますか?
A1: エムズアソシエイツでは、新築では断熱材はグラスウールを使用しますが、リフォームでは気密施工のしやすいフェノールフォームの断熱材を使用します。(屋根断熱など、高性能グラスウールの厚みを確保するのが難しい場合にも使用します)
フェノールフォームの断熱性能はグラウスールの倍ほどの断熱性能がありますので、厚みはグラスウールの半分で済みます。
Q2: 信頼できる断熱材メーカーはどこですか?
A2:一概に「このメーカーがおすすめ」とは言えませんが、ここでは、代表的な断熱材メーカーと、その特徴をいくつかご紹介します。
- マグ・イゾベール: グラスウールの大手メーカーです。幅広い製品ラインナップを持ち、高性能な製品も多数取り揃えています。
- 旭ファイバーグラス: グラスウールを中心に、ロックウールやセルロースファイバーなども製造しています。
- ニチアス: ロックウールのトップメーカーです。耐火性や耐久性に優れた製品を多く扱っています。
- JSP: ビーズ法ポリスチレンフォームの大手メーカーです。軽量で加工しやすい製品が特徴です。
- アキレス: 押出法ポリスチレンフォームやウレタンフォームなどを製造しています。断熱性能の高い製品を多く扱っています。
- 日本アクア: 吹付け硬質ウレタンフォームの大手メーカーです。気密性や断熱性に優れた製品を提供しています。
ただし、断熱材選びで最も大切なのは、メーカー名ではなく、製品の性能や特徴です。各メーカーが提供する製品の性能や特徴をよく比較し、ご自身のニーズに最適な断熱材を選ぶことが大切です。
2. 断熱材の性能・耐久性に関するFAQ
Q3: 結局、どの断熱材が一番断熱性能が高いのですか?
A3: 一般的に発泡プラスチック系(ウレタンフォームなど)は熱伝導率が低く高性能ですが、グラスウールやロックウールでも厚みや施工が適切なら十分な性能を得られます。
Q4: 断熱材の寿命や経年劣化はどれくらい?
A4: グラスウールやロックウールなど無機繊維系は長期間劣化しにくいとされていますが、湿気を含むと性能が落ちる場合があります。発泡系は経年収縮することもあるため、施工方法とメンテナンスが重要です。
3. 施工会社・業者選びに関するFAQ
Q5: どんな業者に断熱工事を依頼すれば失敗しないですか?
A5: 断熱材の種類ごとの専門知識を持ち、施工実績が豊富な会社を選ぶのがおすすめです。複数の業者から見積もりを取り、工事内容や費用を比較検討しましょう。また、工事後の保証やアフターサービスの有無も確認しておくと安心ですよ。
4. それでも悩んだときの対処に関するFAQ
Q6: どの断熱材を選べばいいか決めきれない場合、どうしたらいいですか?
A6: ご家族のライフスタイルや予算、お住まいの地域の気候などを踏まえ、複数の断熱材のメリット・デメリットを、私たちのような専門家と一緒に検討するのがおすすめです。
それぞれの家庭に合った、コストと性能のバランスが取れたプランをご提案します。
Q7: 結露が心配ですが、どの断熱材がいいでしょうか?
A7: 発泡プラスチック系は水分を含みにくいというメリットがあります。
しかし、繊維系でも、きちんと防湿・気密施工を行えば、結露のリスクを最小限に抑えられますよ。
断熱材の種類だけでなく、施工品質が大きく影響することを覚えておいてくださいね。
まとめ:どの断熱材も一長一短あるが、総合力で高性能グラスウールがおすすめ!
この記事では、断熱材の種類や特徴、メリット・デメリットを解説しました。
もう一度整理してみましょう。
- 吹付ウレタンフォーム: 気密性に優れるが、配線変更が難しく、湿気を通しにくい。火災時のリスクや耐久性への懸念がある。
- セルロースファイバー: 環境に優しく、調湿性、防音性に優れるが、沈下の可能性があり、高気密化が難しい。配線変更も難しい。
- プラスチックパネル系: 高い断熱性能を誇るが、燃焼時のリスク、湿気を通さない点、地震時の破損リスク、コスト面がデメリット。
- 袋入りグラスウール: コストを抑えられるが、湿気に弱く、施工精度が求められる。耐久性は高い。
- 高性能グラスウール: 高い断熱性能、耐久性、耐火性、透湿性を持つが、施工精度が求められ、水分対策が必要。
- ロックウール: 断熱性、耐火性、撥水性、耐久性に優れるが、コストが高め。
- ポリエチレンフォーム: 高い断熱性と耐水性を持つが、コスト、耐熱性、耐火性に課題がある。
私たちエムズアソシエイツでは、数ある断熱材の中から、高性能グラスウールを推奨しています。それは、日本の住環境に適した性能バランスと、長期的な安心感を兼ね備えているからです。
もし断熱材選びで分からないことがあれば、ぜひ一度、エムズアソシエイツにご相談ください!
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