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壁内の結露判定 と 夏型逆転結露

2018.03.23

こんにちは 松原です。

暖かくなったと思いきや、ちょっと冷え込みましたね。

明日からはまた春めいた陽気になりそうですが、花粉が今年はやたら多いみたいですね。

 さて、本日は(も?)、ちょっとマニアックなおはなし。

壁内結露 って聞いたことありますか???

漢字の通り、壁の中で結露が発生する状態のことを指します。

断熱が弱い壁の中は、結露リスクが高くなります。

そもそも、結露とは・・・・・ と話し出すとなが~くなるので、ここでは分かり易く

空気には、温度によって空気が含むことのできる水分(=水蒸気)の量が異なります。

夏の暑い空気(温度が高い)だと、たくさん水分(水蒸気)を含むことができますが

冬の冷たい空気(温度が低い)だと、少しの水分(水蒸気)しか含むことができません。

物質の表面の裏と表で温度差がある場合、わかりやすいところでは

夏のガラスのグラスを思い出してください。

冷たい水をグラスに注ぐと、表面に結露水が発生しますよね。

これは、水蒸気を多く含んだ夏の暑い空気が、冷たい水を入れたコップの表面

の冷たい空気に触れ、空気の温度も下がるので、含むことができる水蒸気の

量が一気に減ります。

すると、含むことができなくなった水蒸気(気体)が一気に水(液体)となり現れます。

これがいわゆる 結露水 というものです。

冬の窓ガラスが結露するのも、同じ理由ですね。

 

ということは、壁の中も断熱が弱かったり、断熱の施工が隙間だらけだと

壁の内部で結露する可能性があります。

壁の中の結露は、見付けることが難しいのでやっかいです。

お住まいと建てる際に、設計段階できっちりと確認しておく必要が

あるんですね。

毎年冬になると壁の内部で結露すれば、当然、木造の場合は、

構造の要である土台や柱を腐食させる原因になります。こわいですねぇ!

最近はそういった結露を判定するソフトというのも開発され、

エムズでも採用しております。

(いろいろな機能があるのですがすべては使いこなせておりませんが・・・)

 

判定結果は、エムズの中では一番やさしい断熱性能の

ナチュレ・エコ・アドバンス でのシュミレーション結果でも、

「結露の可能性は極めて低い状況です」

とのこと。(これなら、エコ・ゼロ や エコ・プラスは 更に安心)

 

これは、外気温が0℃ 湿度60% で 室内温度が20℃ 湿度50%

と少し不利な条件での計算です。

 

 

マニアックな話ですが、物質にはそれぞれ

透湿抵抗値(水蒸気を透過させる量) 熱伝導率(熱を伝える値) 熱抵抗値

などの数値が存在します。

それらを計算して、シュミレーションしていくと、おおよその見当がつくのです。

住宅の性能値 Q値(UA値) もこうした数字を使って算出していくものです。

ただし、C値(隙間相当面積)は、必ず一棟一棟実測しないと算出できません

のでご注意ください。

Q値やUA値でも気をつけていただきたいのは、あくまでも設計時の論理的な

数字なので、実際に施工レベル、設計どおりの工事がきっちりできていないと

性能は出せないことです。

ここは、数字も大事ですが、実際に完成したお住まいでの体感が重要に

なってくると思います。

 

さて、結露といえば窓ガラス ガラスといえば結露。

アパートやマンション暮らしの方達の中には、「ガラスやサッシは結露するもの」と

思い込んでいる人もみえるのにはびっくりします。

 

エムズのガラスの性能でも、結露の判定をしました。

室内が20℃の場合、外気温が-6℃を下回らなければ結露しないという

結果が出ております。(相対湿度は外部60% 内部50%)

ただ、実際に生活していると、室内干しでの局所的な高湿度になったり

鍋料理をしたりと、様々な条件が変わりますので、絶対に結露をおこさない

訳ではありません。

土間の部分は断熱性能が落ちますので、その部分のガラスも

他の部分と比べてですが、やはり結露する確率は高くなると思います。

あくまで、上記の設定条件の範囲でのシュミレーション結果として

のお話です。

 

 

そんなこんなですが、皆さん、夏の逆転結露という言葉をご存知でしょうか?

簡単に言えば、夏と冬の室内と外の温度が入れ替わる と考えると、反対側で

結露が起こる可能性があるわけで、特に岐阜は高温多湿で過酷な環境ですから

全国的に見ても、

夏型結露が起こりやすい地域といわれます。

 

外気温35℃ 相対湿度70% 室内温度 24℃ 相対湿度60%

 結果は  なんと!!!!

 わずかですが結露リスクがある!とのこと。

ちょうど、室内側の気密(防湿)シート部分での結露のリスクがわずかですが

ありました。 汗 (上のシュミレーショングラフ)

 

ただし、これのリスクを回避する方法があるんですねぇ。

このシート部分は、一般的な防湿シートでは透湿しにくい素材でできているため

この部分で一気に露点温度(赤線)が急降下してます。

この部分を透湿できるシートにすればリスクはぐっと少なくできます。

上のシュミレーショングラフ の 右の表の真ん中にある一般的な

「住宅用プラスチック防湿フィルム」

を、スマートという名称で透湿抵抗値を変更して入力すると

なんと、結露リスクは大幅に改善。

「結露の可能性は極めて低い状況です」

になりました。笑

 

こいった論理的検証を踏まえ、エムズでは、逆転結露を防止する

特殊な気密(防湿)シートをおしげもなく全棟に採用しております。

 

詳しい資料がこちらです

 

 

世界のデュポン社の製品です。(いや~ ほんとうにデュポン社ってすごいんです)

現在は、品名が変わり「タイベック スマート」 みたいな名前になりました。

ここまでやっておけば、逆転結露への不安も解消です。

 

窓ガラス。(エムズのペアガラス Low-E  アルゴンガス仕様)

夏の逆転結露の心配はなさそうです。

(ただし、外気温が38度もある時に、室内が20℃未満となるような冷やし方

をすれば、この限りではありませんので、ご了承を)

 

窓ガラスについてですが、現在エムズでは、更なる性能と快適さを目指し、

真空トリプルガラスの採用

       を目論んでおります。

現在、メーカーさんの協力のもと、なるべく手の届く価格帯で、

真空トリプルガラス

の採用ができるよう協議中です。

全棟標準というわけにはいきませんが、エコ・ゼロ と エコ・プラス の

2グレードに標準採用できないかを模索中。

実際に本設計がスタートすれば、どのグレードでもオプション扱いでの採用は

できる形にしたいと考えておりますので、乞うご期待ください。

真空トリプルにすれば、更に真冬も真夏も室内温度環境は 2℃前後

よくなるんじゃないかな~ と勝手に想像しております。

もちろん結露リスクも更に減ります。

なんだかんだ言っても、やはりガラス(サッシ)部分は壁の断熱性能に

比べたら低いですからね。

熱の出入りの多さでは、まだまだ性能向上の余地があります。

 

住宅の性能って細かなところまで考えていくと

科学 なんです。

住まいを科学する

とでもいいましょうか?

見えなくなるところまでよくよく考えなければいけない。

テーマは尽きることがないように思えてきます。汗

 

あ--------- またまた長くなってしまいましたが、

快適性能に関しては、絶え間なく休みなく進歩していきたいと思います。

 

いつもご拝読ありがとうございます。笑

 

—–株式会社エムズアソシエイツは、注文住宅 高気密高断熱の専門工務店 です。—–

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